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IT業界の多重下請構造は問題なの?③

 

初回の、SI業界の多重下請構造は問題なの?① では、以下のような
「多重下請構造における問題点」を洗い出しました。

 ●健康保護の問題
 ●間接業務の増幅
 ●不当な利益
 ●人材マネジメント不全
 ●価格から抱く期待とのズレ

 

また、SI業界の多重下請構造は問題なの? では、
「何故こんな構造になっているのか?」について考えてみたところ

「日本の現労働法下で必然的に作り上げられた人材供給システム」

ではないのか、という一つの答えを導き出しました。

 

次は、

「理想の構造とは?」
「では、何をどのようにすれば良いの?」

 について考えてみたいと思います。

 

■理想の構造とは?

やはり理想は多重ではないシンプルな構造が何かと良いですね。

 ・
[大手A社]に[下請けA社]が間を挟まずに “派遣契約” で人を出す。
  ※派遣法では派遣先である[大手A社]にも労務管理義務が発生するため。

 ・[大手A社]から[下請けA社]が案件の一部を間を挟まずに “請負契約” で請負う。
  ※[下請けA社]のエンジニアの労務管理は[下請けA社]が実施する。
  ※さらに、必要であれば
[下請けA社]に[孫請けA社]が “派遣契約” で人を出す。

 

どちらか、もしくは両方で問題点はすべて解決されまーす!

と、、ここまで来て気がついたのですが、ここまで考えたことは、おそらく既知の事柄で、労働局は、この状態にしたくて “2重派遣の禁止” や “偽装請負撲滅” 等の運動に勤しんでいるのでしょう。。。

 

しかし・・・・状況は改善されていませんね・・・

 

それではということで、解決に向け少し大胆に考えてみました。自分で見聞したわけではないのですが、アメリカのエンジニアは主にユーザー企業に雇われており、新システム構築などの山場(沢山のエンジニアが一時的に必要)を終えると、次の現場へと雇用されていくとききます。もしこれが本当なら理想のモデルと言えるのではないでしょうか?

「会社はプロジェクトが終了すればエンジニアを解雇でき、エンジニアは不満や、不安なく解雇を受け入れ、次のプロジェクトは比較的簡単に見つかる。エンジニアはそんなワークスタイルを良しとしている。」このアメリカ型モデルが実在すると仮定すると、日本との相違点は次の3点だと思います。

 ・労働法の解雇規制が緩い。
 ・エンジニアは次の仕事が見つかる。
 ・組織への所属欲求が低い。 

さて、このようになるには何が必要なのでしょうか?

まず、エンジニアを解雇可能な労働法が必要でしょう。但し経営の怠慢は牽制されるようなバランスのとれた法律でなければならないのはいわずもがなですが。。つぎに、エンジニアが「次のプロジェクトにもありつけるだろう!」という安心感がを醸成できるようなような包括的なジョブマッチングの仕組みあれば良いのではないでしょうか?

 

 

(最後に)

以上、妄言をつらつらと書きましたが、「労働者は会社に従属するもので、会社は社会からの落伍者を出さないよう教育訓練など義務を負うといった、これまでの構造が、産業が複雑になったことや、働く側の価値観が多様化していることから、合わなくなってきているような気がします。

現在も、労働者に関する問題においては、ハローワークや職位業訓練などにおいて、国策として多大なリソース(人・物・金)が割り当てられています。 また、前述したように、派遣法に関する議論や、 “2重派遣の禁止” や “偽装請負撲滅”など、労働法という根本原因を無視した表層的な問題是正の取り組みがなされているように感じます。一度、ゼロベースで考えてみる必要があると思います。(そのような専門委員会があるのか分かって言ってる訳ではありませんがw)

・仕事と労働者を効率的且つ包括的にマッチング可能な情報システム。
・産業や働き方の多様性も十分考慮された
関連法規。
・社会からの落伍者を出さないセフティーネット。

 これらのあり方について、また今度、自分なりに考えてみたいと思いました。

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