竹中平蔵氏そして「派遣」は悪なのでしょうか??
最近、ホリエモンこと堀江貴文さんが、日本に派遣会社が多いことに「狂っている!」と発言し話題になっていたように思います。
また、この批判の対象となっている竹中平蔵氏は2015年の年初に『正社員を無くしましょう!』と発言し、これまた物議を醸しました。
これらに対し、わたしも派遣に関わる一人として意見を綴ってみたいと思います。
●論点の整理
まず、一連の記事の論点を整理すると以下のようになるかと思います。
- ピンハネ屋である派遣会社が隆盛する日本は是正すべき
アメリカなどでの人材派遣とは医者や弁護士など高給取りの専門職斡旋だけ、
・派遣会社の数はアメリカのおよそ5倍である。
・人口を派遣会社で割ると、アメリカは2万2千人に派遣会社1社
日本は1700人に派遣会社1社あること。
などから、労働者(主に単純労働者)をもの扱いする派遣会社が隆盛する日本は狂っている。 - 竹中平蔵パソナ会長が日本の経済戦略会議の委員である
日本の派遣会社最大手であるパソナグループの会長である同氏が政治の政策決定に影響する場で自社に有利(派遣社員が増えるよう正社員をなくそう!)な発言をするのは問題 - 今回の改正(派遣法)は改悪である
改正の詳細は以下リンクにうまく纏まっていますが、大きくは以下の3点に集約されるかと思います。vol.1「改正派遣法の概要」2015年派遣法改正10のポイント |はたらこねっと
●まず最初に思うこと
まず、この辺りの論争でいつも思うことなのですが、まず理念というか目指す理想像から擦りあわし議論する必要があると思うのです。
その点に関し個人的には次のように考えます。
全ての労働者が『平等』で『適材が適所に配置』され『自分に合った働き方が可能』且つ『労働者&企業がそれぞれの義務を果たす』労働社会の実現
『平等』
主に同一労働同一賃金のことです。
『適材が適所に配置』
昔と違い、今の社会は、事業が急に縮小することや逆に情報産業のように急激に市場が拡大することがあたりまえのようになりました。変化の激しい現代においては企業(事業)も常に変化せざるを得ない環境であるといえ、右肩上がりで経済成長していた時代の「人を大切にする経営(解雇しない)」一辺倒ではなく適材が適所にスムーズに流動可能な社会的仕組みが必要なのではという個人的考えです。
『自分に合った働き方が可能』
少子高齢化に伴い労働人口減少問題が顕著化するいま子育て女性やシニア、障害者などの有効活用、また、これまで当たり前だった正社員は就職というより就社しどっぷり1つの会社に仕える的なこれまでの常識から離れ、労働者は自分の専門性を軸に複数の会社で働くことだったり、時間ではなく成果にコミットし地方で働くなど、より自由度を高めることが、限られた労働リソースの有効活用法だという考えです。
『労働者&企業がそれぞれ義務を果たす』
「人を大切にする経営(解雇しない)」一辺倒ではなく。と、前述しましたが、事業の状態に併せ、自由に解雇出来ることが良いとは思っていません。適材が適所にスムーズに流動可能な社会的仕組みがあり労使双方が望んで転職する以外は、やはり企業は一旦雇った労働者を解雇することのないよう経営努力すべきかと思います。
●わたしの意見です
以下、前述した理念に基き各論点に関する、わたしの意見です。
- ピンハネ屋である派遣会社が隆盛する日本は是正すべき
派遣=ピンハネという解釈に、まず異を唱えたいですねえ。悪徳な会社を揶揄しこのような言葉を使われたのでしょうが、どのようなビジネスでも売値より原価の方が低いのは当然です。この差額(粗利)が販売管理費や、派遣社員に対してもより良い環境を築く為の投資源泉となるわけですから。。注目すべきは販売管理費の使途内容だと思うのです。
派遣社員の福利厚生・教育訓練への使途⇒◎
派遣社員に関係ない豪華絢爛なオフィスへの使途⇒X
って、感じですかね。
また、各国と比較結果のみで是非を問うべきではないとは思いますが、派遣が多いことに対しては確かに異常だと思います。
では、何故、日本はこのような状況に陥っているのかってことですが、やはり解雇規制に問題があると思っています。事実2012年世界経済フォーラムで労働者の採用と解雇のしやすさに関するランキングで日本は144カ国中134位です。
個人的には「海賊と呼ばれた男」が出版される、だいぶん前から出光佐三氏を尊敬しており、同書も拝読しましたが、終始泣きっぱなしでした。。。
話がそれましたが従業員を家族と考える経営は心から素晴らしいと思います。
ただ、繰り返しになりますが、昔と違い、今の社会は、事業が急に縮小することや逆に急激に市場が拡大することがあたりまえのようになりました。変化の激しい現代においては企業(事業)も常に変化せざるを得ない環境であると言え、右肩上がりで経済成長していた時代の「人を大切にする経営(解雇しない)」一辺倒ではなく適材が適所にスムーズに流動可能な社会的仕組みが必要だと思うのです。
また後日、詳しく書きたいと思いますが、この仕組みはAIが鍵だと思っています。ハローワークの予算を機械学習に使い、労働市場全体の膨大な「仕事」と「労働者」を綺麗にマッチングするということです。 - 竹中平蔵パソナ会長が日本の経済戦略会議の委員である
同氏が故意に自社に有利な発言をしているのか否か?は本人しか分かりませんので、わたしには何とも言えませ~ん。。。 - 今回の改正(派遣法)は改悪である
中途半端だと思います。問題は派遣法どうのではなく、前述した労働市場全体の膨大な「仕事」と「労働者」を綺麗にマッチングさせることだと思っています。
以上、竹中さん・派遣法改正についてはテキトーな感じになってしまいましたが、言いたかったことは、労働市場全体の膨大な「仕事」と「労働者」を綺麗にマッチングすることについて議論し予算を使いましょうー。ってことです。
皆様はどの様に思いますか?